女性はセックスの快感を心と身体の両方で感じるとも言われています。大好きな彼とのセックスは、何物にも代えがたい幸せな時間ですよね。しかし、そんな幸せな気持ちはあるのに何故かどうしても濡れない時や濡れにくい時期があり、セックスがスムーズにできないということに悩んでいる30代女性も多いんです。また濡れなくなったことで自分が婦人科系の病気なのでは?と、心配になる女性も多いのではないでしょうか。
男性は女性が濡れているということに喜びや興奮を感じることが多いので、セックスの際に女性があまり濡れない・なかなか濡れない状態が続くと、本当はセックスがしたくないのではないかと思って萎えてしまうこともあります。そして自分が濡れないせいで彼が萎えてしまった、と女性側も気まずい気持ちになってしまいます。
恋愛コラムニスト
齋藤緑子
関西在住ライター。マッチングアプリを利用して30人以上の男性と出会い、男女関係にまつわる様々な取材を敢行中。恋愛や不倫、セックスなど、誰にも言えない悩みを抱えた女性の心に寄り添います。
関西在住ライター。マッチングアプリを利用して30人以上の男性と出会い、男女関係にまつわる様々な取材を敢行中。恋愛や不倫...
セックスで濡れにくいことに悩んでいる30代女性が増えている
290人の女性を対象にしたアンケートで、パートナーとセックスをする際に、いつもより濡れないと感じたことはありますか?という質問をしたところ、「ある」と回答したのは238名。
つまり約8割の女性がセックスで濡れないと感じたり、濡れにくい日があったりするという結果が出ています。
また、濡れないことでセックスを断ったことがあるかという質問には、5人に1人の女性が「ある」と回答しています。その理由としては濡れないと気持ちよくない、痛みを感じるということや、相手に申し訳ないと思ってしまうという意見が多くありました。
やはり濡れないということは女性にとって心も身体も気持ち良いセックスをするうえで、大きな問題であるということがわかります。
30代は女性の性欲が最も高まっている年代であるとよく言われます。ですからもちろんセックスがしたいという気持ちはあるのになぜか濡れない、濡れなくなったと悩んでしまう30代女性も多いです。
さらにパートナーとのセックスに満足しているのに濡れない時がある、という意見もあったことから、女性が濡れないということには心と身体のどちらか、または両方になにか理由があると考えられますが、濡れにくいことに対してきちんと対策を取ることで、悩みを解消することができるんです。
そもそも「濡れる」ってどういうこと?
そもそもセックスで女性が「濡れる」というのは一体どのような仕組みで、女性の身体にとってどのような役割を果たしているのかわからない人も多いでしょう。まずは女性が「濡れる」ということについてよく知っておくことが必要です。
女性が濡れるメカニズムとは
「濡れる」というのは一般的に愛液と呼ばれる分泌液が滲み出ることです。この愛液というのは正式名称を膣分泌液といい、女性の膣から分泌される体液で、無色透明、少し粘度のある液体です。
愛液の成分は主に血漿(血液の中にある成分)で、その他膣の入り口付近から分泌されるバルトリン腺液、Gスポット付近のスキーン腺液、子宮頸管粘液などの分泌物と混ざったものです。
女性の身体から愛液が出るのは、ホルモンバランスが関係しています。キスや前戯などで性的な快感や興奮を得ると、脳に幸せホルモンやラブホルモンとも呼ばれるオキシトシンが分泌されるのです。
このオキシトシンが下半身に血液を流入させ、骨盤内の血流が増加して性器が充血します。その充血して広がった血管から血漿などの液体が滲み出て愛液となり、女性器が濡れる、という仕組みになっています。
愛液はどんな役割を果たしているの?
愛液はセックスの際、男性器を受け入れるための潤滑油として挿入しやすくするとともに、セックスの最中、男性器による摩擦で女性器が傷つくことから守ってくれる働きがあります。
気が進まないセックスでも意思に判して女性器が濡れることがあるのは、身体が傷つかないように防御反応として愛液が分泌されているのです。
また、アルカリ性を持つ愛液は膣内の酸性度を下げるため、同じくアルカリ性よりの精液が子宮に届きやすくなり、妊娠しやすくなるという役割も。さらに、膣内の環境を清潔に保つための自浄作用もあります。
愛液の成分や出る量は人によって違いますし、同じ人でも体調や気分によって愛液の出方が変わったり、濡れにくい時期があることも。
30代女性がセックスで濡れない原因
愛液の役割がわかったところで、次は30代女性がセックスでなかなか濡れない・濡れなくなった原因について心と身体の両面から考えてみましょう。
ホルモンバランスの乱れ
女性は年齢を重ねるごとにホルモンバランスが乱れやすくなるといわれています。まだ若い30代女性であっても、濡れにくい時期や濡れない日についてよく考えてみると、生理前後や排卵日・排卵期のようなホルモンバランスの乱れを感じていることが多いという女性も多いのではないでしょうか。
このホルモンバランスの乱れによって愛液の分泌を促すオキシトシンが分泌されず、濡れにくくなってしまうことがあるんです。
また忙しい30代女性ならではのストレスや睡眠不足なども、ホルモンバランスの乱れを招く原因になります。
冷えからくる血行不良
愛液の分泌は、性器周辺の血管が充血して拡張することによって促進されると先ほど説明しましたね。身体が冷えた状態でセックスをすると、濡れにくくなることがあります。
冷え症や冷たい飲み物を摂りすぎてしまったりすると、血行が悪くなり興奮していても血管が拡張しにくくなるのです。
水分不足
愛液は膣の汗のようなものであるとも言われています。水分補給が十分にできていないと汗が出にくくなるのと同じで、体内の水分が足りていない状態でセックスをすると、膣も汗をかくことができません。
また、水分不足だと血液の循環も悪くなるので愛液が分泌されにくくなり、濡れないという状態になることもあります。
心配事や、悩み事がある
30代女性になると仕事やプライベートが充実している反面、責任のある役割を任されたり、人とのかかわりが増えたりして、心配事や悩み事を抱えてしまうこともあるでしょう。
セックスの最中くらいは悩み事など忘れたいと思っていても、無意識のうちにその悩み事を考えて気分が落ち込んでしまうことも。
気分が落ち込んでセックスに集中できないと、愛液の分泌を促進させるホルモンも出にくくなり、濡れにくくなってしまいます。
セックスで興奮していない
女性が性的な興奮をおぼえると愛液が分泌され、愛する人の身体の一部をスムーズに受け入れる準備ができます。
しかし、どんなに愛する彼とのセックスでも、年月を重ねるごとにどうしてもマンネリ化してしまいます。そうすると、興奮度が下がり濡れなくなってしまうこともあります。
特に女性が濡れるためには精神的な興奮が必要で、身体はそこそこ快感をおぼえていても気持ちが乗っていないために濡れない、ということがあります。
緊張や羞恥心がある
初めての相手とセックスをするときや、久しぶりにセックスをする時などに、緊張して濡れにくくなってしまうことがあります。
緊張すると自律神経の中の交感神経が高まり、血管が収縮して血流が悪くなり、愛液が分泌されにくくなってしまうのです。緊張とともに、こんなことをして恥ずかしい、などという羞恥心も交感神経を高ぶらせる原因になります。
パートナーとの相性がよくない
単純にパートナーとのセックスが気持ち良くない、という場合もあります。前戯が足りなかったり的外れなところばかり攻められたり、または力が強すぎて痛みをおぼえたりなど、セックスの相性で悩む方も多いのではないでしょうか。
大好きなパートナーであってもセックスの相性が悪いと、性的に興奮することがなく、愛液が分泌されにくくなってしまいます。
セックスで濡れない30代女性におすすめの対処法
濡れにくくなる原因に、自分にあてはまるものがありましたか?濡れにくい原因がわかれば、あとはそれを改善する対策をとるだけで再び潤いを取りもどすことができるはず。ここからは濡れないとお悩みの30代女性におすすめの対処法をご紹介しますので、濡れにくい日が増えてきたな、と思ったら試してみてくださいね。
規則正しい生活を心がける
濡れにくい状態の治し方の基本は、やはり規則正しい生活です。仕事や趣味で忙しい30代女性は、つい生活が不規則になりやすいですよね。仕事や人間関係でストレスをため込んでしまい、それを解消するために好きなテレビを夜中まで観てしまったりして、生活のリズムが崩れてしまうことも。
不規則な生活はホルモンバランスが乱れを引き起こし、排卵日や生理の周期がずれてしまいセックスで濡れない原因になってしまいます。忙しい日々の中でも栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠をとることを心掛けましょう。
身体をあたためる食べ物・飲み物を摂取する
身体が冷えると血流が悪くなり、セックスで濡れない原因になります。冷房の効きすぎた部屋で長時間過ごしていたり、冷たい物を飲み過ぎたりすることはできるだけ避けましょう。
冷え症の女性はセックスの前だけではなく普段から温かい飲み物や、ショウガや根菜類など身体を温める食べ物を摂取して体質を改善するのも良いでしょう。
また、セックスをする前にはシャワーではなくパートナーと2人で湯舟につかり、身体を温めておくのもおすすめです。さらに、冷房の効いた部屋でセックスをするときは行為の前後にかならずシーツやガウンなどを身体にかけて、身体が冷えないようにしましょう。
こまめに水分補給をする
人間の体の大部分は水分でできているとよく言いますよね。水分補給が十分でないと、血流が悪くなって愛液の分泌も減ってしまいます。
セックスの前後だけではなく、普段からこまめに水分補給をしてうるおった身体づくりを心掛けましょう。1日2リットルくらいを目安に、塩分やカフェインのすくない飲み物を摂取するのが良いでしょう。
スープなどの塩分のある飲み物はむくみや血液循環を妨げる原因になるので、摂りすぎないように。
ストレスを溜めすぎないようにする
ストレスや心配事、悩み事があるせいでホルモンバランスが乱れたり、セックスに集中できなかったりすることも濡れない原因になります。
悩み事や心配事があるときは誰かに相談して吐き出したり、できるだけ早く解決できるように対処しましょう。また休みの日は軽い運動やゆっくりお風呂につかるなどして、ストレスを解消するのもおすすめです。
いつもと違ったプレイをしてみる
パートナーとのセックスがマンネリ化していてあまり興奮できず、前より濡れなくなってきたという場合は、いつもと違ったプレイに挑戦するのもおすすめです。
コスプレやソフトSMなど、普段のセックスより少し変態チックで刺激のあるプレイは性的な興奮を高め、愛液の分泌を促してくれます。あまり変わったプレイは苦手という人は、場所を変えてみたり、2人でちょっとエッチな映画を観て気分を高めてからセックスをするだけでも新鮮な刺激に繋がります。
十分にリラックスしてから始める
セックスをするときに緊張しすぎて濡れない女性は、ストレッチをして身体をほぐしたり、リラックス効果のあるアロマを焚いてみるのも良いでしょう。身体がリラックスしていると交感神経ではなく副交感神経が優位になり、血流が良くなって濡れやすくなります。
久しぶりのセックスで緊張したり恥ずかしいと感じてしまう場合は、まずパートナーとマッサージをしあい、少しずつ身体をほぐしながらスキンシップを増やしていくのもおすすめです。
パートナーとよく話し合う
パートナーのことは大好きだけどセックスの相性が良くないために、濡れずに痛い思いや気まずい思いをしてしまう場合は、2人でセックスについてきちんと話し合うことをおすすめします。
自分の感じる場所は自分にしかわからないのですから、何も言わずに彼に理解しろというのも無理な話ですよね。お互いの声を聞きながら、もっと気持ちよくなれるセックスについて一緒に考えましょう。
セックスの最中に、もっとここをこうして欲しいとさりげなく誘導したり、痛みをおぼえる場合はやんわりと訴えたりしても良いでしょう。
監修者「齋藤緑子」のまとめ
女性は心と身体の両方で性的な興奮を感じるものです。そのどちらかがバランスを崩していると、濡れなくなるのも仕方ありません。女性の心と身体はつながっていますから、濡れないことに悩みすぎるとますます濡れなくなってしまうこともあります。女性が濡れていない時、実は男性もセックスするときに痛みをおぼえたり、彼女を十分に濡れさせていないことを申し訳なく思ったりしているものです。そんな同じ思いを共有している2人ですから、再び快感を共有するため濡れにくい状態の治し方などもしっかり話し合えば成功するはず。あまり1人で悩み過ぎずに、濡れないことをパートナーに打ち明けてみるのが解決への近道なのではないでしょうか。